米国を拠点とする大手暗号通貨取引所クラーケンの共同CEOアージュン・セティは、トランプ政権下での暗号通貨政策の改革について「非常に期待している」と述べ、業界全体が活気づいていることを強調しました。2025年3月現在の暗号通貨市場は、政策転換を反映した急成長を見せています。
暗号通貨市場の現状と政策転換の影響
セティCEOによると、暗号通貨業界は現在「新たな成長局面」を迎えています。「2024年1月には約40,000ドルだったビットコインの価格が、2025年3月現在では80,000ドル台にまで上昇しています。この成長は政策環境の改善と直接連動している」と指摘しました。
クラーケンは2011年設立の老舗取引所で、2024年の年間取引量は約5,000億ドル(1日平均約13億ドルのスポット取引量に基づく累計値)、米国内の顧客資産は約500億ドルを管理しています(出典)。セティCEOは「米国で最初に規制を受けた取引所として、政策環境の改善が直接的な成長要因となっている」と説明しました。
トランプ政権の政策転換と具体策
2025年1月23日、トランプ大統領は「デジタル金融技術における米国のリーダーシップ強化」を掲げた大統領令に署名し(出典)、以下の政策を推進しています:
- ブロックチェーン活動(自己保管、マイニング等)の保護
- デジタル資産規制の見直し(60日以内に勧告提出義務化)
- 米ドル担保ステーブルコインの支持強化
- 中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行の禁止
これに伴いSECは、バイデン政権時代に開始されたコインベースやクラーケンに対する訴訟を次々と取り下げています(出典)。セティCEOは「公平な競争環境が整備されつつあり、業界は前進に集中できる」と評価しています。
ステーブルコイン規制の最新動向
2025年2月に提出されたGENIUS Act(包括的ステーブルコイン規制法)は、3月13日に上院銀行委員会で18対6の賛成多数で可決されました(出典)。この超党派法案の主な内容は:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行主体 | 銀行・非銀行機関を含む多元的な発行を許可 |
| 規制権限 | 連邦・州の二重監督体制を構築 |
| 準備資産 | 米ドル建て資産の100%保有を義務化 |
| 発行上限 | 非銀行機関は100億ドルまで |
フレンチ・ヒル下院議員は「新興市場では米ドル担保ステーブルコインが外国為替コストを最大80%削減可能」と指摘し(出典)、セティCEOも「ステーブルコインは市場安定化の要」とその重要性を強調しています。
戦略的暗号資産準備金の行方
3月2日のトランプ大統領の発表では、ビットコインに加えイーサリアム、XRPなど多様な暗号資産を国家準備金に包含するとされましたが(出典)、暗号業界リーダーから「ビットコインに集中すべき」との批判が噴出。これを受け3月7日の大統領令では:
- 「戦略的ビットコイン準備金」:約17億ドル相当の没収ビットコインを基盤
- 「米国デジタル資産備蓄」:その他の暗号資産を分類管理
この区別化により、ビットコイン最大主義者との調整を図っています(出典)。
業界の展望と課題
クラーケンの2024年収益は前年比2倍の15億ドルに達し(出典)、セティCEOは「ハイパー成長の準備が整った」と宣言。ただし政策転換に伴う新たな課題も:
- ステーブルコインの発行競争激化(現時点で世界時価総額2,000億ドル超)
- 没収暗号資産の管理コスト増大
- 国際的な規格調和の必要性
セティCEOは「透明性ある運営とマイクロマネジメントで変化に対応する」と述べ、50-70人の直属部下を率いる独自の管理体制を明かしました(出典)。
まとめ
暗号通貨業界は政策転換を機に新時代を迎えています。トランプ政権の規制緩和、GENIUS Actの進展、主要取引所の急成長が相乗効果を生む中、クラーケンの動向は業界の健全性を示す重要な指標となるでしょう。今後の焦点は:
- 国家準備金の具体化プロセス
- ステーブルコイン規制の国際調和
- 没収資産の管理運用体制
セティCEOが指摘する通り、「安定性とイノベーションのバランス」が今後の持続的成長の鍵となりそうです。


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