アクシーインフィニティで「稼げる」と聞いて興味を持ったものの、SLPやAXSといった仮想通貨がどのように関わるのか、どうやって手に入れて、最終的にどう日本円にするのか、全く分からない…そんな疑問を抱える初心者は少なくありません。Play-to-Earnゲームとして世界中で注目を集めたアクシーインフィニティですが、その収益の仕組みの根幹にあるのが、ゲーム内で発行される仮想通貨、SLP(Smooth Love Potion)とAXS(Axie Infinity Shards)です。この記事では、アクシーインフィニティで収益を得るために必須となるこれら二つの仮想通貨に徹底的にフォーカスし、それぞれの役割、ゲーム内での具体的な獲得方法、そして最も気になるであろう、獲得した仮想通貨を日本円に換金するまでの具体的な手順を、初心者の方でも迷わないように丁寧に解説します。現在の仮想通貨市場の状況やアクシーインフィニティの最新のゲームバランスなども踏まえつつ、この記事を読めば、アクシーインフィニティで得た仮想通貨をスムーズに換金し、収益化の第一歩を踏み出すための具体的な道筋が見えてくるでしょう。複雑に思える仮想通貨の換金プロセスも、ステップごとに解説していきますので安心してください。
SLPとAXSとは? アクシーインフィニティでの役割と獲得方法
アクシーインフィニティのエコシステム内で最も重要な役割を果たすのが、SLPとAXSという二つの仮想通貨です。これらは単なるゲーム内アイテムではなく、実際にブロックチェーン上で価値を持つトークンであり、アクシーインフィニティをプレイすることでこれらを獲得し、外部の取引所で売却することで収益を得ることができます。
ゲーム内通貨SLP(Smooth Love Potion)の詳細
SLPはアクシーインフィニティにおいて、最も日常的に獲得される仮想通貨です。文字通り「ゲーム内通貨」としての側面が強く、ゲームをプレイする主な報酬として設計されています。
- 主な役割と用途:
- アクシーのブリーディング(繁殖):新しいアクシーを生み出す際に、AXSと共に消費されます。ブリーディングはゲームの根幹をなす活動であり、新たなアクシーの供給源となります。必要なSLP量は、ブリーディング回数に応じて増加します。
- ゲーム内アイテムの購入(限定的):過去には他の用途もありましたが、現在は主にブリーディングに利用される消耗品としての性質が強いです。
- ゲーム内での主な獲得方法:
- アリーナモード(PvP):他のプレイヤーとの対戦に勝利することで獲得できます。獲得できるSLPの量は、プレイヤーのランク(MMR – Matchmaking Rating)に依存します。ランクが高いほど、勝利時に得られるSLP量が増加します。ただし、スタミナを消費して勝利した場合のみ獲得できます。
- アドベンチャーモード(PvE):特定のステージをクリアすることで獲得できます。かつては主要なSLP獲得源でしたが、エコシステムバランス調整のため、現在はアドベンチャーモードでのSLP獲得は廃止されています(2024年時点)。獲得方法が変更される可能性があるため、ゲーム内の最新情報を常に確認することが重要です。
- デイリークエスト:以前はデイリークエスト(アドベンチャーモードのクリアやアリーナでの勝利など)を達成することでボーナスSLPがもらえましたが、これもエコシステム調整のために廃止されています。
- 最新の獲得状況:現在、主にアリーナモード(PvP)での勝利がSLPの主要な獲得手段となっています。ゲームのアップデートにより獲得方法や量が頻繁に変更される可能性があるため、常に最新のゲームガイドや公式発表を確認することが必須です。
SLPの価格は、主にブリーディング需要(新しいアクシーを作りたい人がSLPを買う)と、プレイヤーによるSLP売却(稼いだSLPを換金したい)のバランスによって変動します。ゲームのアップデートや市場全体のセンチメントによって大きく価格が変動しやすい特性があります。
ガバナンストークンAXS(Axie Infinity Shards)について
AXSはアクシーインフィニティのエコシステム全体の「株」のような位置づけであり、SLPよりも発行量が少なく、希少性が高い仮想通貨です。エコシステムの長期的な成長と運営に関わる重要なトークンです。
- 主な役割と用途:
- ガバナンス:AXS保有者は、アクシーインフィニティのエコシステムに関する重要な決定事項(ゲームの方向性、フィー設定など)に対する投票権を持ちます。これはコミュニティ主導の運営を目指すプロジェクトにとって非常に重要な機能です。
- ステーキング:AXSを特定のプールに預け入れる(ステーキング)ことで、報酬として追加のAXSを獲得できます。これにより、AXSを長期保有し、エコシステムをサポートするインセンティブが生まれます。ステーキング報酬率は市場の状況や参加率によって変動します。
- ブリーディング:SLPと同様に、アクシーのブリーディングの際にも一定量のAXSが消費されます。SLPに比べて必要な量は少ないですが、より価値の高いトークンであるため、ブリーディングコストの一部を占めます。
- (将来的な機能):ランドセールや特定のゲームモード、トーナメント報酬など、将来的にはさらに多くの用途や獲得機会が追加される可能性があります。
- ゲーム内およびエコシステム内での主な獲得方法:
- アリーナモード(PvP):各シーズン終了時、高順位(上位のプレイヤー)に報酬として配布されます。これは競争的なプレイヤーにとって大きな目標となります。
- ステーキング:前述の通り、保有するAXSをステーキングすることで定期的な報酬が得られます。
- (限定的なイベント/エアドロップ):過去には初期プレイヤーやランドオーナーなどにAXSがエアドロップされた例があります。今後のエコシステム拡大に伴い、新たな配布メカニズムが登場する可能性もあります。
AXSの価格は、エコシステム全体の成長期待、ガバナンスへの関心、ステーキング需要、そして市場全体の仮想通貨トレンドに大きく影響されます。SLPよりも投資資産としての側面が強いと言えます。 現在のゲームバランスでは、日常的なSLP獲得は以前より競争が激化しており、高いMMRでのPvP勝利が鍵となります。AXSはトッププレイヤー向けの報酬やステーキングが主な獲得手段となっており、SLPとは性質が異なります。アクシーインフィニティで収益を目指すには、これらの仮想通貨の役割と、現在のゲーム環境での獲得方法を正確に理解することが最初のステップです。
アクシーで稼いだSLP/AXSを日本円に換金する具体的な手順
ゲーム内でSLPやAXSを獲得できたら、いよいよそれらを現実世界の通貨である日本円に換金するプロセスに移ります。仮想通貨初心者にとって、この換金作業が最もハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、正しい手順と注意点を理解すれば、安全に換金を行うことが可能です。
換金の全体像:Ronin Walletから取引所、そして日本円へ
アクシーインフィニティをプレイして獲得したSLPやAXSは、「Ronin Wallet(ローニンウォレット)」というアクシーインフィニティ専用のウォレットに自動的に保管されます。Ronin Networkは、アクシーインフィニティの取引を高速かつ低コストで行うために開発されたイーサリアムのサイドチェーンです。 SLPやAXSを日本円に換金するための基本的な流れは以下のようになります。
- Ronin Walletで獲得したSLPまたはAXSを確認。
- 仮想通貨取引所へSLPまたはAXSを送金する。
- 取引所でSLPまたはAXSを日本円に換金する(直接または間接的に)。
- 換金した日本円を自分の銀行口座に出金する。
問題は、多くの日本の仮想通貨取引所が、Ronin Network上のトークン(SLP, AXSなど)や、それらを直接取引できる環境を提供していない点です。そのため、換金するにはいくつかのステップや、海外の仮想通貨取引所を利用する必要が出てきます。 取引所への送金方法は、主に以下の二つがあります。
- Ronin Bridgeを利用してイーサリアム(ERC-20)ネットワークへ送金:Ronin Network上のSLP/AXSを、Ronin Bridgeという仕組みを使ってイーサリアムのメインネットワーク上に送金します。この際、MetaMaskなどのイーサリアム対応ウォレットが必要になります。イーサリアムメインネット上のSLP/AXS(ERC-20トークン)であれば、多くの海外取引所や一部の国内取引所(直接SLP/AXSを扱っていなくても、ERC-20トークンとして受け入れ可能な場合)で扱うことができます。ただし、イーサリアムメインネットはガス代(手数料)が高い傾向があります。
- Ronin Networkに直接対応している取引所へ送金:近年、BinanceやKrakenなど、一部の主要な海外取引所がRonin Networkに直接対応し始めています。これらの取引所であれば、Ronin Walletから直接SLP/AXSを送金できるため、Ronin Bridgeを経由する手順や、イーサリアムメインネットのガス代を節約できます。これが最も効率的な送金方法と言えます。
自身の利用したい取引所がどちらのネットワークに対応しているかを事前に確認することが非常に重要です。
国内・海外取引所を使ったSLP/AXSの売却方法
換金プロセスには、国内取引所だけを利用する場合と、海外取引所を主に利用する場合の二通りが考えられます。現状では、海外取引所を利用する方が一般的で効率が良い場合が多いです。
国内取引所のみでの換金(現実的ではないルートが多い)
日本の多くの仮想通貨取引所では、SLPやAXSを直接購入・売却できる取引ペアがありません。また、Ronin Networkにも対応していない場合がほとんどです。そのため、国内取引所だけで完結させるのは非常に困難、あるいは非効率です。 もし仮に、国内取引所で換金しようとすると、以下のような非常に複雑な手順を踏む必要が出てきます。
- Ronin WalletからRonin Bridgeを使い、SLP/AXSをイーサリアムメインネット上のMetaMaskなどのウォレットに送金。
- イーサリアムメインネット上のSLP/AXSを、対応している海外取引所に送金。
- 海外取引所でSLP/AXSを、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの、国内取引所でも取り扱いのある主要な仮想通貨に売却。
- 売却して得たBTC/ETHなどを、国内取引所に送金。
- 国内取引所でBTC/ETHなどを日本円に売却し、銀行口座に出金。
このルートは、手数料が二重三重にかかる可能性があり、送金ミスなどのリスクも高まります。現実的には、次に説明する海外取引所を利用するルートが一般的です。
海外取引所を使った換金(一般的で推奨されるルート)
SLPやAXSは、世界的に見ると多くの主要な海外取引所(例:Binance, Kraken, Bybit, Gate.ioなど)で活発に取引されています。これらの取引所を利用することで、比較的スムーズに換金を進めることができます。 一般的な換金手順は以下のようになります。
- Ronin Walletから海外取引所へSLP/AXSを送金する。
- 利用する海外取引所がRonin Networkに直接対応しているか確認します。対応していれば、Ronin Walletからその取引所のRonin対応ウォレットアドレスへ直接送金します。これが最も手数料が安く済み、推奨される方法です。
- Ronin Networkに直接対応していない、かつERC-20トークンとしてSLP/AXSの入金を受け付けている海外取引所の場合は、Ronin Bridgeを利用してRonin WalletからMetaMaskなどのイーサリアム対応ウォレットへSLP/AXSを一度送金し、その後MetaMaskから海外取引所のイーサリアムアドレスへ送金します。この場合、イーサリアムのガス代がかかることに注意が必要です。
- 海外取引所でSLP/AXSを売却する。
- 送金したSLPやAXSを、取引所内の取引ペア(例: SLP/USDT, AXS/USDT, SLP/ETH, AXS/BTCなど)を使って売却します。米ドルに連動したステーブルコインであるUSDT(テザー)建てで売却するのが一般的で、価格変動リスクを抑えつつ、その後の換金プロセスに進みやすいです。
- 売却して得た仮想通貨を国内取引所に送金する。
- SLP/AXSを売却してUSDTやBTC、ETHなどを得たら、それらを日本の銀行口座へ出金できる国内取引所へ送金します。この際、送金手数料が安く、送金速度が速い仮想通貨に一度交換してから送金するのがおすすめです。よく利用されるのはリップル(XRP)やライトコイン(LTC)などです。海外取引所でUSDTなどをXRPに交換し、そのXRPを国内取引所のXRPアドレスへ送金します。
- 国内取引所で仮想通貨を日本円に換金し出金する。
- 国内取引所に送金した仮想通貨(例: XRP)を日本円に売却します。
- 国内取引所の日本円出金機能を使って、指定した日本の銀行口座へ日本円を出金します。
海外取引所の口座開設には、パスポートなどを使った本人確認が必要になります。また、海外取引所の利用は日本の規制の対象外となるため、利用は自己責任となります。信頼できる大手取引所を選ぶことが重要です。Ronin Networkに直接対応している取引所が増えているのは、初心者にとって非常にメリットが大きい点です。
換金する際の注意点と税金について
仮想通貨の換金プロセスには、いくつかの重要な注意点があります。特に初心者は以下の点に留意する必要があります。
- 価格変動リスク:SLPやAXS、そして換金の途中で利用する他の仮想通貨(BTC, ETH, XRP, USDTなど)の価格は常に大きく変動しています。ゲーム内で獲得した時点から日本円にするまでの間に価格が下落する可能性があり、想定していたよりも少ない金額になってしまうリスクがあります。換金するタイミングは市場の状況を見て慎重に判断する必要があります。
- 送金アドレスの確認:仮想通貨の送金は、銀行振込と異なり、一度送金アドレスを間違えると資金を取り戻すのがほぼ不可能です。Ronin Walletから取引所、または海外取引所から国内取引所へ送金する際は、送金先のアドレスが正確であることを指差し確認するなど、何度も確認してください。特に初めて送金する際は、少額でテスト送金を行い、無事に着金することを確認してから本命の金額を送金する癖をつけるのが賢明です。また、送金先のネットワーク(Roninなのか、ERC-20なのか、その他ブロックチェーンなのか)を間違えないように注意が必要です。
- 手数料:仮想通貨の送金や取引には手数料がかかります。Ronin Network内の取引手数料は基本的に無料ですが、Ronin Bridgeを使う場合や、他のブロックチェーン(イーサリアムメインネットなど)で送金する場合はガス代がかかります。また、各取引所での売買手数料や、日本円の出金手数料も考慮する必要があります。手数料を抑えるためには、Ronin直接対応の取引所を選ぶ、手数料の安い仮想通貨(XRPなど)を経由するなどの工夫が有効です。
- 税金:仮想通貨を売却して日本円に換金した場合、または仮想通貨同士を交換した場合(例: SLPをUSDTに、USDTをXRPに)、原則としてそこで生じた利益は日本の所得税において「雑所得」として課税対象となります。アクシーインフィニティで獲得した仮想通貨も、売却または他の仮想通貨と交換した時点で利益が確定したとみなされ、課税の対象となり得ます。年間20万円以上の所得がある場合は、原則として確定申告が必要になります。取引履歴をしっかりと記録し、税金計算ツールなどを活用して正確に税金を計算する必要があります。税法は変更される可能性があり、個々の状況によって税金計算は複雑になるため、必要に応じて税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。税金に関する知識なしに多額の換金を行うのはリスクが高いです。
これらの注意点を理解し、慎重に進めることが、アクシーインフィニティで得た収益を安全に手元に得るために非常に重要です。
まとめ:初心者でも大丈夫!SLP/AXSを理解してアクシー収益化の第一歩を踏み出そう
この記事では、アクシーインフィニティのPlay-to-Earnの核となる仮想通貨、SLPとAXSについて、それぞれの役割、ゲーム内での獲得方法、そして獲得した仮想通貨を最終的に日本円に換金するまでの具体的な手順を、初心者向けに詳しく解説しました。 SLPはアクシーのブリーディングに使われるゲーム内通貨であり、主にPvPでの勝利によって獲得できます。一方、AXSはエコシステムのガバナンストークンであり、ステーキングやPvPシーズン報酬など、より長期的な価値を持つ仮想通貨です。現在のゲーム環境では、かつてのように誰でも簡単に大量のSLPを稼げる状況ではなく、特にSLP価格は変動が大きいため、アクシーインフィニティを始める際は、収益性だけでなくゲームそのものを楽しむ姿勢も大切です。 獲得したSLPやAXSを日本円に換金するには、まずRonin Walletから仮想通貨取引所へ送金する必要があります。多くの国内取引所ではSLPやAXSを直接扱っていないため、Ronin Networkに直接対応している海外取引所を利用するか、Ronin Bridgeを経由してイーサリアムメインネット上のトークンとして海外取引所に送金するのが一般的なルートです。海外取引所でSLP/AXSを主要な仮想通貨(USDTなど)に売却し、その仮想通貨を国内取引所に送金して最終的に日本円にするという流れになります。 換金プロセスには、価格変動リスク、送金ミス、手数料、そして税金といった重要な注意点が存在します。特に税金に関しては、利益が出た場合は原則として雑所得として課税対象となり、確定申告が必要になる可能性があるため、取引履歴の管理と税務に関する情報収集は怠らないようにしましょう。 一見複雑に思えるアクシーインフィニティでの仮想通貨の取り扱いや換金も、一つ一つのステップを丁寧に理解し、慎重に進めれば初心者でも十分に対応可能です。まずはゲーム内でSLPやAXSを獲得し、Ronin Walletの操作に慣れることから始めてみましょう。そして、少額でのテスト送金などを活用しながら、仮想通貨取引所の利用方法を学び、徐々に換金プロセスに挑戦していくことをお勧めします。アクシーインフィニティを通じて、Play-to-Earnの世界と仮想通貨の仕組みを体験し、収益化の第一歩を踏み出してください。